「パーマカルチャーと組織開発」 ~ その2・良い森と良い組織の共通点 ~

こんにちは。
関東地方は新緑が美しい季節になりましたね。

今回のメルマガでは、まさに季節にピッタリの『森』がテーマです。

前回は『森と組織』と題して、森は適切な関わりがあってこそ生き生きさを増す、ということを書きました。

「適切な関わり」を知る前に、良い森とは何かを考えてみましょう。

どんな森が良い森かは、見方の数だけ表現があると思いますが、パーマカルチャー的に表現するならば、以下のような表現になります。

「遷移を経てできていて、階層構造(極相)がある森」

階層構造がある森は、植生においてはそこに循環システムが出来ていると言えます。

そして極相を経た森が出来るためには、以下の6つの段階が必要です。

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1.裸地 (土壌はなく、岩石など)

2.地衣・コケ類の侵出
(胞子が飛来し地衣類・コケ類が生育)

3.草原
(土壌に栄養が蓄えられ、草木が定着。微生物最大)

4.陽樹林
(アカマツ、シラカバなどが形成される)

5.陽樹・陰樹混成林
(陽樹の成木と、シイ、カシなど陰樹が生育し混生)

6.陰樹林
(混生林の下で生育するのは陰樹のみで極相に至る)
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パーマカルチャーの究極の目的が「世界を森でおおい尽くすこと」である理由は、そこに完全な循環環境が実現されているからです。

上記の『良い森』になるには、もしかすると何百年何千年という時間をかければいずれなるかもしれません。

しかし、人が智慧を用い、手を掛けることによって、その遷移が促進される可能性があるのです。

それが「適切な関わり」です。

森の場合、それは下草を刈ることだったり、枝を払うことだったり、多岐に渡るでしょう。

ここで意識を組織に切り替えると、「適切な関わり」は何になるでしょうか?

皆さんの属する組織という森は豊かでしょうか?

循環し続ける仕組みができているでしょうか?

近くに森があれば森の木々を、無ければ公園の木でも、テーブルの上の観葉植物でも構いません。

しばし新緑を味わいながら、考えてみてはいかがでしょうか。

 

 

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リーダーの中のいろいろな自分

ある日ふと、

「なんだか最近、自分らしくないな。。。」

と思ったことはありませんか?
もしくは、鏡を見て

「随分と疲れた顔だな、、、自分はもともとこんな顔だったっけ?

と映った顔をまじまじと眺めたことはないでしょうか?

組織の中でリーダーや管理職など特定の役職に就くようになると、「役割」が先行して行動や意思決定をしていくことがよくあります。

まるで「役割」と自分が一体化してしまったかのように、本来「自分らしい」と思っている様々な要素は鳴りを潜めてしまうのです。

けれど、実際には私たちは「いろいろな自分」を内に秘めています。

優しい自分、強い自分、大らかな自分、気弱な自分、ひょうきんな自分、ちょっと意地悪な自分、、、など、読者の皆様にもちょっと頬を赤らめるような「いろいろなご自分」が思い当たることでしょう。

システム・コーチング(*)では、この「いろいろな自分」を「秘密の自己」と呼んでおり、多様な自己の集合体である全体性(whole)を本来の「自分」としています。
(* システム・コーチングは登録商標です)

あなたという個人も多様な側面によって構成されている「システム」なのです。

役割は、そんな自分の側面を引き出してくれることもあります。

新しい役職に就いたとき、新しい職場に異動になった時、新しいメンバーとチームを組んだ時、もしくは初めて「お父さん・お母さん」になった時、それまでとは違った自分の側面に出会った、という経験をされた方は多くいるのではないでしょうか。

またその逆に、一つの「役割」が長く続くと、自分の一部の要素だけが日常化し、本来持っていた豊かで多様な側面が出番を失い、倦怠感や停滞感、または成長実感が持てないといった状態にもなります。

社会人になって間もない頃や役職や職場などの環境が次々にかわった時代と違い、一般的に40代50代になるとこの傾向は強まりがちです。

さて、ここまでの話に頷いている読者の皆さん、ここでもう一度、あなたという人は今担っている役割よりもずっと大きく豊かで多様な存在だ、ということを思い出して下さい。

そして、多様な自分の要素をあなたの「役割」にもっと持ちこんでみませんか。

もし普段「強くて責任感のある自分」で役割をこなしているのであれば、「ひょうきんな自分」をスパイスに加えてみるのもいいかもしれません。

どんな自己を持ち込んでリーダーの役割を満たすのか、普段とは違ったスーツを身につけるようにリーダーシップの幅を広げてみてはいかがでしょうか?

それはきっと職場に普段と違う雰囲気をもたらし、質の違う対話がメンバーの中に生まれてくる可能性を秘めています

チームや組織に感じていた閉塞感を変えていく鍵は、リーダーであるみなさんの内側にあるかもしれません。

明日の朝、普段は会社には連れて行っていない、どんな自分と一緒に出社してみたいですか?

次回、この「秘密の自己」のさらなる応用編についてご紹介します。

それでは、今日も良い1日を!

 

 

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生きている会議の創り方、進め方」 第6号 ~ 次の行動を確認する ~

これまでもお伝えしてきましたが、

全ての会議には目的があります。

そしてその成果は、会議に参加した人たちの具体的な行動として現れてくることになります。

その観点から、生きている会議を創る上でもう1つ大切なことは、

会議そのものが参加者の次の行動に連動していることです。

その会議で決定・合意・共有されたことが、参加者それぞれの次の行動に反映される流れを創る必要があります

そのため、会議の終盤においては、出席者に対する以下のような問いかけが重要です。

「今日の会議を踏まえ、あなたの次の行動は何ですか?」

ここで、その会議が一定の役職者以上で構成されていて、その内容を部下に共有する、という次の行動が想定される場合は、

「どのように今日の会議の内容を伝えますか?」

と、問いかけてもいいでしょう。

その会議を経て、参加した人たちが今どんな認識で、次にどんな行動をとろうとしているのか?、ということに好奇心を持って問いかけてみるのです。

こうした問いかけに対し、リーダーとしてのあなたの思惑どおりの答えが返ってくることもあれば、そうでないこともあるでしょう。

実際、同席させていただいた会議でこうした問いかけをさせていただくと、同じ時間を共有しているはずなのに、参加者それぞれが受け取っている内容が実にさまざまであることがわかります。

ですので、こうした問いかけに対する回答の内容に対して一喜一憂することはありません。

まずはいったん、相手の今の状態を受けとめましょう。
その上で、さらなる対話が必要であることがはっきりしたのであれば、そのための次の機会を持てばいいのです。

一方で、これはその会議の品質に対するフィードバックでもあります。

そもそも人は誰かの思い通りには動きませんが、人と人が共通の目的に向かって協働する際の重要なプロセスが会議という媒体です。

効果的に参加者相互の意思の疎通を図ること。
このことは、全ての会議に期待されることでしょう。

もし、会議の終盤に至って参加者相互の意思の疎通がうまくいっていないのであれば、どこかに改善の余地があると思われます。

前号まででお伝えしてきた一連のプロセス、つまり、

「目的の明確化と共有」

「会議の雰囲気を意図的に創る」

「全員が発言する」

「システムの声を聴く」

「率直に本音を伝える」

のそれぞれについて、もう一度見直してみてください。

あなたの会議がさらに進化するタイミングが、まさに今、到来しているのかもしれません。
 

 

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「生きている会議の創り方、進め方」 第5号 ~ 率直に本音を伝える ~

この度の熊本地震で被害にあわれた皆さま、そのご家族の皆さまに心よりお見舞いを申し上げます。
被害のあった地域の一刻も早い復旧を祈念しています。

さて、おかげさまで、この『生きている会議の創り方・進め方』シリーズも5回目を数えました。
これまでは、

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  • 目的の明確化と共有
  • 会議の雰囲気を意図的に創る
  • 全員が発言する
  • システムの声を聴く

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以上4つのトピックをお伝えしてきました。
皆さまの会議は今、どんな健康状態でしょうか?

残念な光景としてありがちなのは、そうは言っても会議の席では参加者からの十分な発言がなく、会議後の雑談やアフターファイブの飲み会で活発に意見交換がなされるケースです。

それはそれで昔ながらの微笑ましい光景ではありますが、関係者が集まる会議が本来的に機能していないことほど、もったいないことはありません。

この問題意識は、この『生きている会議~』シリーズの原点でもあります。

会議で発言しない方々に個別にお話を伺った際の私の経験から申し上げると、彼らは何も考えていないわけではなく、ご自身の意見をしっかり持っておられます。

それでも発言をしない理由が他にあるのです。
例えば、

「そもそも会議とは形式的なもので、殊更に自分の本音や意見を言う場所ではない」
「この会議での自分の役割は、黙って上司の発言を聞いていることだ」

といった思い込み。
こうした方々は、もしかしたら過去に会議で本音の発言をして、痛い目にあった経験があるのかもしれません。
或いは、

「会議の時間は自分にとっては非生産的。早く終わらせて早く自分の仕事に戻りたい」
「上司と違う意見を言ってしまうことは得策ではないし、そもそも自分の意見に自信がない」
「自分がこの会議に出席することの意味に納得していないので、非協力的な態度をとっている」

などの個人的な理由で、沈黙を選択している場合があるかもしれません。
お互いに人間ですから、その気持ちもわからないでもないですよね。

自分以外の誰かを変えることは、誰にもできません。
リーダーである皆さまにできることは、自分の評価や判断をいったん保留し、会議で黙っているという行動の奥にあるこうした思い込みや気持ちを、ひとまず受けとめることです。

その上で、率直に、自分の本音を伝えることです。

何のためにこの会議があるのか、どんな雰囲気でこの会議を進めたいのか、今、どんな気持ちなのか、率直に自分の本音を伝えましょう。
例えば、

「この会議は私たちの衆知を集めるためにある。なので、全員の発言で熱のある会議にしたい。だが、今は私を含めた一部の発言者のやりとりに終始していて、頭にくるやら悲しいやらで、全く面白くない。どうしたらよいか、まさに衆知を集めたいので、なんとか力を貸して欲しい」

こうした率直な本音が、会議に命を吹き込むきっかけになっていきます。

そして、ここで大切なことをもう1つ。

率直に自分の本音を伝えたその時、その場に何が起きるのかを見届け、システムの声にしっかり耳を傾けることです。

ぜひその瞬間を大切にして、そこからまた、互いの率直な本音を伝え続けてください。

 

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効果的なリーダーシップの深層 ~ 何のためにそれをやっているのですか? ~

  • チームワークが大切だから部下のモチベーション向上を一番に考え、良いところを見つけては褒めています。
  • 着任時、組織の規律が緩く感じられ、業務プロセスに曖昧なところがあったので、まずはメンバーには厳しく接して緊張感を持たせるようにしています。
  • 「そもそもこの仕事の目的は何か?」というところから議論を始めるようにしています。
これらは日頃リーダーの皆様からお聞きする組織運営の考え方です。皆様、日々悩み、考えながら組織運営に当たられており、本当に頭が下がります。

そして、これらの取組を効果的に機能させているリーダーがいる一方、残念ながら「なかなかうまくいかないね」とため息をつかれるリーダーも少なからず居らっしゃいます。

実際にうまく機能していないリーダーの皆様によくよく話を聞いてみると、

  • 部下のモチベーションを下げないように、失敗させないようにと思うあまり、チャレンジングな仕事を部下に任せ切れていなかった。
  • 改革により部署の空気が引き締まった後も、同じように空気を引き締め続けた結果、リーダーの顔色を伺う組織になり、人が育っていなかった。
  • リーダーの語る「そもそもの目的」の抽象的が高すぎて、周囲がついてこられず、議論がかみ合っていなかった。
という現状が明らかになっていきました。

<効果的なリーダーシップを阻害する原因となるもの>

はたして、効果的なリーダーシップとそうでないリーダーシップとを分ける境界とは、いったい何なのでしょうか。

その答えが「意識の成長段階」にあると考えるとしたらどうでしょうか。

「人の意識」は成長とともに段階を追って進化します。
わがまま放題だった子供は、成長して社会の中で揉まれるにつれ、周囲に受け入れられることの必要性を深く理解し、社会に適応していきますね。
(「社会適応」の意識状態への進化)

ここで問題なのは「社会適応」の段階では、私たちはほとんど気づかないうちに、自尊心や安心感を得るための反応的な行動を取っているということです。

例えば、相手の要求に従うことで相手に受け入れられようとしたり、自分の力を示すことで認められようとしたり、他者を批判することで自分の正しさを証明しようとしたり。

このような「反応」は社会で生きていくためには必要なものですし、個別の仕事を進める上では推進力を与えてくれたりもします。

でも、リーダーとして人を率いる局面において、このような「反応」ははたして適切なものなのでしょうか。

<「好ましくない現状」の裏にあるもの>

先ほど示した3つの事例についても「周囲から受け入れられ、自尊心や安心感を得る」という観点から見ると、うまくいかない現状を引き起こしている裏には、以下のような心の「反応」が起こっている可能性があります。

  • 部下を苦しませたくない
    部下から嫌われたくない
  • 自分の改革が正しかったので、引き続き、自分のグリップを効かせた組織でいたい
    自分の影響力を保っていたい
  • 社会や世界といった抽象度の高い論点から業務を語ることで、自分の知性と思考の深さを周囲に知らしめた
    →知恵のある人だと思われたい

このような心の「反応」は普段、自分ではなかなか認識できませんが、他者からはよく見えるものです。

良かれと思った行動が効果的に機能しないのは、このような心の「反応」が、周囲によからぬ影響を与えてしまっているのが原因かもしれません
これが「社会適応」の段階に居るリーダーのリーダーシップが効果的に機能しない原因です。

<まずは振り返り、ご自身の反応に気づくことから>

自分のリーダーシップがうまくいっていないと感じる場合、普段なにげなく行っている御自身の振る舞いを振り返るいいチャンスです。

あなたがリーダーとして普段取っている行動は、自分の自尊心や安心感を得るための「反応」なのか、はたまた何かを「創造」しようする「思い」や「願い」からの行動だったのかという振り返り。

もちろん、イチかゼロかで答えられるものではないですが、一度お風呂にでもつかりながらゆっくり内省する機会をお持ちいただくのも良いかもしれません。

効果的にリーダーシップを機能させるリーダーの成長ステージは「社会適応」の次の段階へと進んでいます。

 

 

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可能性を信じてくれる上司のもとで、部下は大きくなる

みなさんは、こんな経験がありませんか?

目の前の相手が、自分に好意をもってくれている、できる人だと見てくれる、と思うと、とてものびのびして、自信をもってえる。

逆に、相手の「できないやつだな、使えないな~」という視線を感じ取ってしまうと、なんだかぎこちなくなって、いつもはできていることでも、うまくできなくなってしまう。

「別に、相手がどう思おうと、私は私だよ」と思えれば理想ですが、どうやら多くの人は、つい「相手の期待」に応えるようなふるまいをしてしまうようなのです。(そんなネガティブな「期待」に応えなくてもいいのに!)

それが、職場の上司・部下の間のこととなると、問題はかなり深刻になります。

企業の方と、部下との接し方の話になった、

「そうはいっても、できないやつっていますよね」

「できる人、できない人を冷静に評価するのが上司の役目ですから」

と言われることがあります。

もちろん、「パフォーマンスを冷静に評価する」のは、大切です。

ただ、あなたが部下なら、

「今はここまでだけど、本当は、もっとできるぞ」

と信じて関わってくれる上司と、

「お前は、ここまでしかできないやつ」

と見る上司と、どちらの職場で働きたいでしょうか?

そして、それぞれの上司のもとで、あなたの働き方はどう違ってくるでしょう?

昔、私の上司だった人は、しい人でしたが、いつも私を「できる人」として見てくれていました。

私自身が「そんなの無理だよ!」と思うような仕事も、「当然できるよね、そのくらい」という態度を一度もくずしませんでした。(本心は不安だったかもしれませんが、それを私の前では出しませんでした)

そのおかげで、私は新しいことに挑戦することもできましたし、失敗して落ち込むことはあっても、心のどこかでは「それでも、私はできる」と思い続けることができました。

コーチングの基本に、

「クライアントの可能性を信じる」

ということがあります。

コーチは、クライアント自身も気づいていない、その可能性の大きさを信じて関わります。

それによって、クライアントは初めて自分の大きさに気づき、「こんなことまで、自分はできるんだ、してもいいんだ!」と思えるようになります。

上司が、コーチと同じように、部下自身も気づいていない、部下の大きさを信じて接したら、どんなことが起きると思いますか?

そんな上司のもと、のびのび成長していく部下たちがいっぱいいる職場って、どんなにワクワクすることでしょう。

しかも、それには、何のコストもかからないのです!

上司のあなたが、「こいつは、できるやつなんだ」と信じるだけでいいのですから。

 

 

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コーアクティブ・ビジネス会話術 「会話の中で、自然にコーチングを使う方法」

コーチングを学んでいる人から、「ビジネスの現場で自然にコーチングをするにはどうしたらいいでしょうか?」という質問をよく受けます。
私は、

「コーチングは自然な会話ではありません。コーチと
クライアントのお互いが協働関係を創って行う会話
なので、通常の会話とコーチングは違います」

と答えています。

通常の会話ではなく特殊な会話なので、コーチングに精通したプロのコーチという職業があり、コーチングをすることによって報酬を得ることが可能なのです。

ただし、こういった前提がありつつ、通常のビジネスの会話でコーチングをしたいというニーズも少なくはありません。

そこで今回は、コーチとクライアントでコーチングをするという正式な場以外で、コーアクティブ・コーチングを実際に行うコツをお伝えします。

まず、コーチングが実際に機能しやすい場をあげると、面談の場です。
1年あるいは半年に1回の目標面談では、上司と部下という立場で行うケースが多いと思いますが、こういった場面では通常の会話よりも、よりコーチングが機能する場が暗黙の合意の中で出来上がっているケースがほとんどですので、積極的にコーチングスキルを使うと良いのではないかと思います。

そして、面談ではなく、通常のビジネスの会話でコーチングを使う場合は、ぜひ「許可取りのスキル」を使ってください。

ここで重要なのは、相手の許可を得ながら話を進めるということです。

例えば、何か相談をされた時に、

「そういった相談は、コーチングをさせてもらうとより良い
答えが見つかると思うので、よかったらコーチングを
させてもらえないかな?」

など、一言相手に許可を得ることによって、相手の心の準備が変わってきます。

また、コーチングを学びたてでよく失敗する例として(私は多く経験しました)、通常に会話をしている最中に、拡大質問や要望などのコーチングのスキルをいきなり使用して唐突感を与えてしまい、相手に不快な思いを経験させてしまうことです。

コーチングで傾聴を学び、人の話を傾聴すると、深い会話になる時がよくあります。
そういった深い会話になると、コーチングを学んでいる人は、善意でコーチングのスキルを使用したくなります。

そんな時こそ、許可取りです。

【例】
「よかったら少し質問させてもらってもいいかな?
○○さんの役にたつかもしれないから」
「今、コーチとして関わらせてもらったら話しやすいと
思うけど、どうかな?」

など、許可取りをしてからコーチングのスキルを使うということを試してみてください。

コーチングを通常の会話で使う場合、大事なポイントは「相手との関係」です。
相手がしっかりとコーチングを受ける状態でいないとコーチングは本来の力を発揮しないので、ぜひそのことを意識してみてください。

 

 

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「人を観る力」

自分にそっくりの人が世界に3人いる、という話を聞いたことがあります。

皆さんは、自分のそっくりさんに会ったことや見かけたことはありますか?
私は、社会に出てしばらく経った未だ20代の頃、たまたま仕事で乗った電車内の広告写真に自分のそっくりさんを見つけて、目が釘付けになったことを覚えています。

どこかの居酒屋チェーンの広告で、スーツ姿のサラリーマンが戦国武将の兜を被って、お刺身の大きな舟盛りを前に満面の笑顔のアップ、という写真でした。
その瞬間のことを思い出すと、宴会幹事としてしか組織に貢献できなかった当時の自分と重なって、今でも笑みがこぼれます(笑)。

現代では有名人のそっくりさんはタレントとして活躍されていますが、歴史的には影武者として重宝されたようです。
影武者と一口に言っても、その役割を全うすることは容易ではなかったと想像できます。

どこまで本物になり切れるか、本物という役割を演じ切れるか、継続的な高いコミットメントが不可欠です。
また、単に本物の一挙手一投足を真似るだけでなく、本物の内面を洞察し、本物だったらこの瞬間に何を考え何を感じるのか、その内面から、まるで本物のように振舞う必要があります。

そこには、とことん「人を観る力」が求められたはずです。

現代社会においては、私たちが誰かの影武者になる必要はありません。
しかし、本当の自分をより高いレベルで体現する余地は、誰にも残されています。

試しに、今のあなたにそっくりな本当のあなたを客体化して、外側から本当の自分を観察してみると、一体何が観えるでしょうか。
今のあなたと、本当のあなたとの微妙な違いは、一体何なのでしょうか。

もし、その微妙な違いに気づけたのなら、本当の自分に一歩近づいて、本当の自分として振舞ってみましょう。
あなたが身を置く世界が違って観えてくるかもしれません。

私の場合、先ほどの若武者宴会幹事のイメージが強すぎて、微妙な違いがセンスできないままでいます(笑)。
でもこれも何かのサインですから、まずはあのポスターのように、思いっきりの笑顔で宴会を楽しむ自分を取り戻してみようかと考え始めています。

今回も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。

 

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「企業・組織内でなぜ対話/ダイアローグが  必要なのか?」~ 後編 ~

前回の記事(2月18日発行)の最後に触れた、対話を生み出す秘訣とは何でしょうか?

ここで言う秘訣は、いくつかの要素が相乗的に作用し合って生まれます。
それは、対話を生み出す土壌になっているメンバー同士の関係性、メンバーがどんなモード(あり方)でいるのか、そして、メンバーの聴き方のコツ(技術)、です。

まずは、見えやすくわかりやすい聴き方のコツから紹介します。

前回少し紹介したように、対話の状態では自分の意見を守ったり、押し通したりすることはほとんどありません。
なぜなら、そこにいるメンバーの聴き方に大きく影響を受けているからです。

では、その聴き方とは何か。

それは、相手が話していることを評価/判断をはさまずに、ただそのままに受け取るように聴くことです。

議論や普段の会話では、相手が話しているそばから、その話が面白い、つまらない、合っている、間違っている、わかりにくい、などと常に頭の中で評価/判断を走らせながら聞いています。

対話では頭の中で評価の声をちょっと脇において、なるべく評価の色をつけずに相手の話をそのままそこに置いておく感じです。

そうすると、意見を述べる方は自由にのびのびと話ができます。
思いついたアイデアを、すぐにまとまっていない考えも思い切ってその場に出すことができるのです。

次に、対話の場にいるメンバーのモード(あり方)です。

議論の場では、自分の意見を守ったり、押し通したりするために、相手より優位に立つ必要がありますから、その状態はいわゆる戦闘モードになります。
つまり、相手の粗を探し隙あらば攻め込む、またはボロを出さないように理論武装して、言い間違いのないように脇を固めているような状態です。

対話では、心がオープンで開かれています。
そこに出てくる様々な考えや意見に対して、好奇心旺盛で尊重し合うようなムードがあります。

最後に、メンバー同士の関係性を見てみましょう。

対話では、お互いへの信頼があります。
どんな考えも尊重され、大事に扱ってもらえるという安心感がそこにはあります。
そして、お互いに協力して新たなアイデアを見つけ出そう、という協力する気持ちもあります。
議論では、相手を仮想敵とみなしているかもしれません。

このメンバーのモード(あり方)とメンバーの関係性を土壌で喩えると、議論は固く乾いた土、対話は湿ったふかふかの土といえます。
どちらの芽が吹きやすいかは言わずもがなだと思います。

以上のように、

・評価/判断をしない聴き方
・オープンマインド、好奇心
・信頼と安心感

が存在する時、対話の場から豊かなアイデアや発想が生まれやすくなります。

以上のような秘訣を参考にしていただいて、対話している人と人の間に生まれる智慧が引き出され、企業・組織の現場で活用されることを願ってやみません。

 

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「企業・組織内でなぜ対話/ダイアローグが  必要なのか?」  ~ 前編 ~

最近になって、組織運営において「対話/ダイアローグ」が重要な要素であることが、ますます認識されつつあると感じます。
私自身もコーチとして、マネジメントの立場として、対話の機会に事欠きません。

そこで、あらためてここで『対話』と『議論』の違い、対話のコツについて考えてみたいと思います。

「ダイアローグ」の語源はギリシャ語の“dialogos”で、
“daia(間で)+legein(話)+os”、つまりは、

「人と人との間にある話」

と言われています。
この“間にある”というところが、対話の性質をうまく表していると思います。

例えば、「この新規事業をどうすべきか?」というテーマで会議をする場面を想像してみましょう。

まずは誰かが口火を切って、推進することに賛成の考えを述べたとします。
そこから先が議論になるのか対話になるのか、分かれていくところです。

議論の場合は、意見を述べる人の中には明確な方向性があって、その方向性に持っていきたいという意図があります。
なので、前に発言した人の考えが自分の方向に合っていればその意見を利用するでしょうし、反対の方向であれば、その意見を覆すための材料を盛り込むでしょう。

つまり、議論をするという時、最初から行き先ありきの場合が多いのです。
そうなると、行き先の違うものの間には必然的に対立構造が生まれ、なんとか相手の意見を覆そうと頑張ることになります。

結果として、どうにかなんらかの結論を出すことはできたとしても、その結論を想定していなかったメンバーにとっては違和感や不全感を残すこともあり得ます。

では、対話ではどうでしょうか。

私の経験では、対話の場にいる時の大きな特徴は、まずメンバーが自分の意見や立場を守ろうとしていないというところにあります。
それゆえに、オープンマインドで、他の人の意見や考えも「なるほど」と受け止めやすくなります。
それぞれが、相手が出している考えをオープンに受け止め合っていると、次第にその対話は、次の段階に入っていきます。

自分が発言していることの中に、最初から用意していたものばかりではなく、その場で思いついた、あるいはどこからか湧いてきたような考えが混じっていくのです。
そのような質の発言が誰かから始まると、それをきっかにして、他の人も同じような種類の、つまりその場で生まれ出たような考えを述べ始めるのです。

このあたりが、その人たちの間にあるものとでもいえる性質ではないかと思います
個人的には“間にある”、というより、“間に生まれたもの”、という言い方のほうがしっくりくる感じです。
そこにいるメンバーがオープンマインドで自分の考えを述べ、相手の考えも受け止めていった先に生まれる“今ここにある智慧”といってもいいと思います。

先行きが不透明な経営環境の中では、もはや最初から想定できる答えに頼っているわけにはいかなくなっていることからも、対話で生まれるような“今ここにある智慧”を活かしていくことがますます必要とされているように思います。

面白いところは、同じメンバーでも議論になる時もあれば、対話に進展していくこともあることで、そこには対話を生み出す秘訣とでもいえるものがあると思います。

次回はその秘訣について紹介していきたいと思います。

 

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