「歴史に学ぶ日本的なシステムとリーダーシップ」 第3回 ~ もしあなたが真田昌幸だったら ~

年が明けて、大河ドラマも新シリーズが始まりました。
武田信玄という偉大な父親の背中を追い続けた武田勝頼や、父親に絶対的な信頼を寄せる真田家の一族の姿が活き活きと描かれています。

家(いえ)というシステムが絶対的な存在だった時代の中で、父親が発揮するリーダーシップの質が、その家の命運を左右する決定的な要因であったのでしょう。

そして、こうした歴史的な経緯が、リーダーシップの所在を父性に求めるという、これまでの私たちの1つの常識を創ってきたことも、否めないように感じます。

それが父親であろうと、お殿様であろうと、誰か1人のリーダーに組織の命運を託すというシステムは、指示命令、管理や統制という文脈において、その強みを発揮します。
特に、物質的な豊かさを求めて覇を競い合っていた戦国時代には、最も適したシステムだったのでしょう。

一方で、私たちが今、そしてこれからの時代をよりよく生きるためには、このようにリーダーシップを一極に集中させるシステムに限界があることを感じていらっしゃる方も多いと思います。

では、今、そしてこれからの時代に求められるシステムにおけるリーダーシップとは、どのようなものなのでしょうか。

それは、そのシステムが身を置く環境によって、リーダーシップの在り方を、自在に、かつ自律的にデザインできるシステムだと考えています。

その実現のためには、一極集中型の対極として、リーダーシップが偏在する、つまり、誰か1人だけがリーダーなのではなく、組織に所属する全員がリーダーである、というシステムに身を置く術を、今、そしてこれからを生きる私たちは体得しておく必要があります。

その在り方に向けての移行期間において、私たちが今すぐできることは、よく言われることではありますが、私がこの家の父親だとしたら、或いは、この会社の社長だとしたら、という視点からの思索と行動を開始することだと思います。

ぜひ、ご自身の持ち場で、もし自分がその組織のトップだったら、この局面で何を意思決定するのかについて、想いを馳せてみてください。

そしてまた、もし自分が真田家の当主だとしたら、という視点で今年の大河ドラマを眺めてみると、今までと違った形でドラマを楽しめるかもしれませんね。

今回も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。

 

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