「生きている会議の創り方、進め方」 第5号 ~ 率直に本音を伝える ~

この度の熊本地震で被害にあわれた皆さま、そのご家族の皆さまに心よりお見舞いを申し上げます。
被害のあった地域の一刻も早い復旧を祈念しています。

さて、おかげさまで、この『生きている会議の創り方・進め方』シリーズも5回目を数えました。
これまでは、

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  • 目的の明確化と共有
  • 会議の雰囲気を意図的に創る
  • 全員が発言する
  • システムの声を聴く

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以上4つのトピックをお伝えしてきました。
皆さまの会議は今、どんな健康状態でしょうか?

残念な光景としてありがちなのは、そうは言っても会議の席では参加者からの十分な発言がなく、会議後の雑談やアフターファイブの飲み会で活発に意見交換がなされるケースです。

それはそれで昔ながらの微笑ましい光景ではありますが、関係者が集まる会議が本来的に機能していないことほど、もったいないことはありません。

この問題意識は、この『生きている会議~』シリーズの原点でもあります。

会議で発言しない方々に個別にお話を伺った際の私の経験から申し上げると、彼らは何も考えていないわけではなく、ご自身の意見をしっかり持っておられます。

それでも発言をしない理由が他にあるのです。
例えば、

「そもそも会議とは形式的なもので、殊更に自分の本音や意見を言う場所ではない」
「この会議での自分の役割は、黙って上司の発言を聞いていることだ」

といった思い込み。
こうした方々は、もしかしたら過去に会議で本音の発言をして、痛い目にあった経験があるのかもしれません。
或いは、

「会議の時間は自分にとっては非生産的。早く終わらせて早く自分の仕事に戻りたい」
「上司と違う意見を言ってしまうことは得策ではないし、そもそも自分の意見に自信がない」
「自分がこの会議に出席することの意味に納得していないので、非協力的な態度をとっている」

などの個人的な理由で、沈黙を選択している場合があるかもしれません。
お互いに人間ですから、その気持ちもわからないでもないですよね。

自分以外の誰かを変えることは、誰にもできません。
リーダーである皆さまにできることは、自分の評価や判断をいったん保留し、会議で黙っているという行動の奥にあるこうした思い込みや気持ちを、ひとまず受けとめることです。

その上で、率直に、自分の本音を伝えることです。

何のためにこの会議があるのか、どんな雰囲気でこの会議を進めたいのか、今、どんな気持ちなのか、率直に自分の本音を伝えましょう。
例えば、

「この会議は私たちの衆知を集めるためにある。なので、全員の発言で熱のある会議にしたい。だが、今は私を含めた一部の発言者のやりとりに終始していて、頭にくるやら悲しいやらで、全く面白くない。どうしたらよいか、まさに衆知を集めたいので、なんとか力を貸して欲しい」

こうした率直な本音が、会議に命を吹き込むきっかけになっていきます。

そして、ここで大切なことをもう1つ。

率直に自分の本音を伝えたその時、その場に何が起きるのかを見届け、システムの声にしっかり耳を傾けることです。

ぜひその瞬間を大切にして、そこからまた、互いの率直な本音を伝え続けてください。

 

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