2017年 10月 の投稿一覧

今こそ大事な「現地現物」

ウエイクアップの斎藤豊です。

最近メルマガの感想やお褒めの言葉を頂くことが増えました。

ありがとうございます(^^)ますます気をよくして書いていきたいと思います!

さて、いきなりですが、今回はいつも文末に書いているおまけから。

おまけ1:先日旅先で、ある鰻の有名店に行ったときのこと。インターネットで場所、定休日、営業時間を調べてタクシーで行きました。しかし、行ったらお休み。一同ショック。。。

おまけ2:父に頼まれて、デジカメを通販で買いました。それを買う理由は「すでに持っているキヤノン製のフィルターが使えるから」とのこと。
購入後父から電話があり一言。「フィルターを使うにはこのカメラ専用のものが必要だった」。

みなさんは「現地現物」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

この言葉は様々なところで使われていますが、僕は前職時代にTPS(トヨタ生産方式)のコンサルをしていたことがあり、その過程で学びました。

どういうことかと言うと「何かあったら現地で現物を見よ」ということです。非常にシンプルです。

こんな逸話を聞いたことがあります。

自動車の塗装過程でムラがあったときのこと。担当者はデータを集め、情報収集し、原因分析し、対策を考え、上司に報告しました。

そこで上司は言いました。
「君は実際に見に行ったのか?」

担当者が「いいえ」と言うと、上司は担当者を連れて、塗装工程現場に向かいました。

そこで服を脱ぎ水着になり競泳用ゴーグルを装着し、塗装まみれになりながらシャワーノズルを見つめます。

すると、一部正常に作動していない箇所を発見。

それは当初報告した原因と対策とは大きく異なるものでした。

「え? 塗装とか全身に浴びたら健康的にやばいんじゃない?」

という疑問は一旦脇に置きましょう(僕もそう思いますw)。

ここで大事なのは
「実際に問題があった場所に足を運び(現地)、手にして目にする(現物)」ということです。

今やGoogle先生のおかげで世の中のあらゆる情報が整理され、一瞬で手に入ります。この恩恵は大変ありがたく、僕も恩恵にあずかっている一人です。

でも、その情報は本物ですか?

別な例を考えてみましょう。

ある会社では毎年社内サーベイでES(従業員満足度)をモニターしています。

そこから見てくる情報やデータを元に、数値が低い部門には部門長に対策を命じ、数値が高い部門は表彰します。

ところが、経年変化を見るとどれも誤差の範囲。

もしくは営業成績と連動していたりすることに気がつきます。

「やってることと起きていること、本当に関係しているのかな?」
という疑問が誰の頭にもありますが、今更言い出せない。

僕は役割上、企業の人事の方やトップマネジメントにお目にかかる機会が多いのですが
「最近現場に行っていますか?」
「現場を見ていますか?」
「現場と対話していますか?」
と聞くと、Yes/Noがハッキリ分かります。

多くの方、そしてポジションが上がれば上がるほど難しくなるものの、数値的根拠はありませんが、Yes派の企業は数字も好調で、人間関係、信頼関係が築けているような気がします。

我々が企業とご縁を頂戴するとき、もしくは頂戴した後に「直接社員のみなさんから直接お話をお伺いする機会を頂けませんか?」とお願いすることがあります。

これは、データとしてではなく現地(お客さま先)で現物(お客さまの声)をうかがうためです。

インタビューを通して、ウエイクアップはどんな力になれたのか、もしくはなれなかったのか。

その会社で何が起きていて、どんな状態を願っているのか。それらを浮き彫りにし、お役に立てる所でがあればお力になりたいと願っています

(正直な所、弊社の提供できることには限りがあるので辞退したり他社を紹介したりすることもあります)。

情報があふれんばかりの今だからこそ、手間暇のかかる「現地現物」を大事にしてみませんか?

冒頭のおまけに戻りましょう。僕が得た教訓。

飲食店の営業情報は、一手間を惜しまず電話して直接確認する。

何かを買うときは、可能な限り現物を見てから買う。

Vacation for Vacant

ウエイクアップの斎藤豊です。

昔、あるメルマガで「vacationとは自分の中にvacantを作るための時間だ」という一文を目にしました。

僕自身これまで多くの旅をしてきました。国内も海外も、海の中からエベレストまで行きました。

そんな僕ですが「あぁこれがvacationか」と思う体験が最近ありました。

それは夏休みのことです。今年はアメリカのカリフォルニア州にあるヨセミテ国立公園で過ごすことにしました。旅の目的は、ただただリフレッシュです。

ヨセミテには去年も来たので多少土地勘もあり、のんびり過ごすには良い場所です。

成田からサンフランシスコに飛び、レンタカーに乗り換えて運転すること約5時間。途中、最近Amazonに買収された大手オーガニックスーパーのWholefoodsで食料を買い込み、着く頃にはちょうど夕方。

時差ボケと運転疲れにビールを流し込んだら、バタンキュー(古い^^;)。

滞在は半キャンプスタイル(常設テントのような感じ)。

遮音性も低いので、朝はたいてい周囲の声や物音で目が覚めます。

ヨセミテの朝。僕の定番は、目覚ましをかけずに目が覚めるまで寝て、起きたらお湯を沸かしてコーヒーを淹れ、川辺にイスを持って行って、雄大な景色を眺めながらそれを飲むことです。

「ふぅ。。。」

分刻みとは言わないまでも、それなりに多忙な日々から突然大自然に身を投じると、こんな時「さて、次は何をしようか?」が頭に浮かびます。

そうなんです。無意識に私たちは「次は?」を考えてしまうことにここで気がつきます。

さらには
「あのメール返信してなかったな」
「通販であれ買わなきゃ」
「宅急便の受け取り日時変えたっけかな」と、
雑念が次々に出てきます。僕の場合、2-3日は出まくります。

ここまででお分かりのように、日常の脳はvacant(空)を作るどころか、いかにparticle(物事)で埋めようと働きます。

しかし自然の力を借りると、徐々にスペースを取り戻す力が宿ってくるようです。

「はぁ~、本当に素晴らしい景色だな。。。」

と思っているだけで3時間があっという間に過ぎ、「あ、もう昼だ。いいや、ビール飲んじゃお」に移行します(個人の趣味です、はい)。

そんなこんなで過ごしていると夕方になっています。

河原から薪を拾ってきて焚き火の用意をしつつ、カリフォルニアワインに突入。

気づくと居眠り。

隣で同じようにキャンプをしている家族はカードゲームをしているようです。なんとものどかな夜。最高です。

これが僕にとってのvacantです。

vacantを作ると、旅の前半で事柄が次々浮かぶ替わりに、次々と新しいアイデア・発想が生まれてきます。

しかしここで大事なのは、敢えて整理しようとせず、流れに身を委ねることです。

結果、心身共にリフレッシュし、優先順位も整理され、新しいアイデアも浮かぶという、理想的なvacationを過ごすことができました。

みなさんは、何の予定も、何もする必要のない時間を、最近どれくらい持ったでしょうか?

家の中に物がついつい増えるように自分の中も一杯になっているとしたら、たまにはvacantを作ってあげましょう。

そこには何か新しいもの、大切なものが入ってきてくれるに違いありません。

何も1週間山にこもる必要はありません。

まずは3時間だけ、スマホもパソコンも手帳もノートも手放して、カフェで過ごすことから始めてみませんか?

おまけ1
ヨセミテ国立公園名物のハーフドームは入山規制中。抽選に申し込むにはネット環境が必要で、結局国際ローミング接続してアクセス。今やアウトドアにもネットが不可欠でした。しかも滞在中全部外れて登れずじまいでした(涙)

おまけ2
いつものように川辺でコーヒーを飲んでいた朝のこと。対岸にいたカップルが服を脱いで川にダイブ。「さすがアメリカだなぁ」と思って再度見ると、水着を着用しています。何かを脱ぎ捨てたいという僕の妄想だったのでしょうか。。。