2015年 12月 の投稿一覧

年末特別号「肚落ち」 ~ 2015年 往く年を想う ~

メリークリスマス!
目には色鮮やかなイルミネーション、
耳には昔懐かしいクリスマスソング、
寒さと暖かさに戸惑いつつの2015年のクリスマス・イブ、
皆さまはいかがお過ごしでしょうか。

今回と年始の2回は、いつもの連載シリーズから離れて、特別号としてお送りします。
いつも通り、ほんのひととき息を抜いて、気軽にお付き合いください。

さて、2015年もあと1週間となりました。
あなたにとって、今年はどんな1年でしたか?

私の今年は、「肚落ち」に向き合った1年でした。

コーチとしては、お客様のエグゼクティブ・チームとの数々のシステム・コーチングセッションを通じて、チームメンバー全員が「肚落ち」できる戦略やビジョン、キャッチフレーズを参加者全員で握り、そこからチームとして、一貫性のある行動に一歩を踏み出すお手伝いをさせていただきました

それぞれ、いい意味で一筋縄ではいきませんでしたが、素晴らしい方々とご一緒させていただきましたことを、心から感謝しています。

想えば、そもそもコーチングとは、クライアントの頭の中を猛スピードで駆け巡る数多の考えや思いが「肚落ち」して、本来のその人らしい、肚からの行動を開始し継続するためのお手伝い、と言えるのかもしれません。

経営者としては、弊社関係者一同で「肚落ち」できるウエイクアップのミッション創りに仲間たちと取組み、一定の成果を得ることができました。
一方で、それぞれ価値観の違う関係者全員の「肚落ち」を大切にしながら1つ1つの事業を推進し、局面を打開するチャレンジに、今この瞬間も直面しています。

今年は、私にとって社会人生活30年の節目の年でしたが、未だ未だ修行の身、との想いを新たにしています。
こういう時こそ、自分と自分たちの可能性を信じて、こうした成長の機会に恵まれたこと、そして仲間たちに感謝しながら、今の自分の最良を、1つずつ実行していこうと考えています。

私のことが長くなってしまいました。

あなたの2015年は、どんな1年でしたか?
今年、あなたが向きあったのは、いったいどんなことだったのでしょうか。

お忙しい皆さまのこと、ほんの5分でもいいと思います。
可能であれば、お1人の時間を確保して、往く年2015年に想いを馳せる時間をとってみてください。
きっと、あなたにとって大切な5分間になると思います。

そして、来る年2016年に向けて、設問を1つ。

「あなたの使命は何ですか?」

この問いを、ご自身の内面に問いかけてみてください。
ヒーローには、必ず使命があるのです。

そして、もし可能であれば、ご家族やお友達とできるだけ賑やかに、酒の肴として、それぞれの使命を気軽に話題にしてみることをお勧めします。

今回も最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。
皆さまにご愛読いただいていること、心より感謝しています。

ステキなクリスマス、そしてお正月をお過ごしください。
ありがとうございました。

 

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コーチング研修を研修で終わらせない4つのヒント

企業におけるコーチング研修は、一般的なものになってきています。

ウエイクアップも多くの企業にコーチング研修をお届けしており、有り難いことに非常に高い評価を頂戴しています。

一方で、必ずと言っていいほど、毎回聞こえてくる声があります。

「実際にやるのは、なかなか難しいよなぁ」

「学ぶ」と「できる」には大きな隔たりがあり、だからこそウエイクアップのプログラムは「体験学習」スタイルでお届けしていますが、それでも上記のような声が完全に消えることはなさそうです。

では、どうすれば「学ぶ」と「できる」のギャップを少しでも埋められるのでしょうか?
私自身、企業内コーチとして長い間活動し、組織開発コンサルタントとして多くの企業に導入のお手伝いをしてきた経験も踏まえ、コツをいくつかご紹介します。

1.学んだ後、使うシーンを特定する

一番もったいない投資は、研修を研修で終わらせてしまうことです。
そのためには、学んだことを使うシーンをできるだけ具体的に特定しましょう。
部下を持つ方であれば目標面談など、部下がいない方はミーティングなどを想定するといいでしょう。

2.コーチングスキルを使うことを強く意識する

せっかく使うシーンを決めても、新しく学んだことを実践するには「使うぞ」という意識のセットをしないと、ついついいつもの会話になってしまいます。
学んだコーチングスキルの中で、特にどれを使うかを決めるのも効果的でしょう。

3.ひたすら使ってみる

コーチングのスキルを身につける1つのポイントは、

「とにかく使ってみること」です。

例えて言うなら、初めて自転車に乗るようなものです。
おそらくその時は最初から上手にやろうと思わず、ただ失敗と挑戦を繰り返したはずです。
コーチングも同様。
回数・時間をこなせば、必ずできるようになります!

4.仲間を見つける

とはいえ、難しさを感じたり、挫けたりすることもあるでしょう。
でもご心配なく。
あなたの近くには、既に一緒に学んだコーチ仲間がいるはずです。
その仲間達とコーチングの練習をしたり、各自の取り組みを共有したり、相談してみるのもいいと思います。

いかがでしょうか?
いずれも意外性がなく、驚かなかった方もいらっしゃると思います。
しかし、当たり前に思われることを当たり前にやることが、実は大事なんです。

コーチングに興味を持ち、可能性を感じた方はぜひ参考にしてください。

 

 

 

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コーアクティブ・ビジネス会話術 「部下に強み・持ち味を伝える3つのポイント」

もし、自分の上司や先輩に自分の強みや持ち味を伝えられたら、どんな気持ちがするでしょう?

おそらく、悪い気持ちにはならないと思います。

この人は、自分のことを理解してくれる、しっかり見てくれる人だという印象になるのではないでしょうか。

コーアクティブ・コーチングでは、コーチングの中で、

「相手の価値観(本人が大切にしていること)を聴き取り、それを言葉にして伝える」

ということを行いますが、部下との会話の中でも、モチベーションアップや信頼関係を強める会話として応用できます。

部下の強みや持ち味を伝えるポイントは、以下の3つです。

1. 実際の仕事の良い成果(事実)や強みを伝える

ここでのポイントは、「言葉にして伝える」ということです。
実際に言葉で伝えられることによって、伝えられた側は実感値が高まっていき、さらにモチベーションがあがっていきます。

例: 「橋元君は、最近のアンケートで、受講生からわかりやすいという評価が多くなっているね。いつも事前準備をしっかりやっているから、結果となって出てきているのだろうね」
2. 部下の価値観を伝える

部下の仕事をよく見ていると、部下が何を大事にして仕事をしているかがわかってきます。
自分自身が大事に思っている価値観を言葉にして伝えられるということは、それだけでも嬉しくなりますが、自分のことを見てくれている、知ってくれているという信頼感の醸成にもなります。

例: 「橋元君の研修を見ていると、受講生との‘つながり’をとても大事にしていると感じるよ」
3. 伝える時の意識

伝える時に、心がこもっていない言葉は、どれだけ良い内容の話をしても伝わりません。

「本音で相手の強み・持ち味を伝える」

これがポイントです。
実際のビジネス会話術の研修では、受講生一人一人に、「誇れる仕事」を語ってもらいます。
自分自身が誇れると思う仕事の中には、その人のこだわりや、何を大事に思って仕事をしているのかが入っています。

もし面談などで、部下とじっくり話す機会があったら、今年の「誇れる仕事」を聴いてみてください。
その話を聴きながら、価値観を直接伝えてみてください。
そして、この会話術には、大きな副産物があります。

それは、相手の強み・持ち味を伝えている自分自身への影響です。
部下の強みや持ち味を伝える時に、おそらく自分自身の心が温かくなるのを感じることができます。

そうです。
この会話術は、伝えている自分自身も元気が出てくる会話手法でもあるのです。

部下のモチベーションアップや信頼関係を強めるだけではなく、ぜひ自分自身のためにも使ってみてください。

 

 

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「歴史に学ぶ日本的なシステムとリーダーシップ」 第2回 ~ 家訓(かきん) 後世に託す想い ~

今日は、歴史に学ぶシリーズの第2号です。

今号では、江戸時代から明治維新にかけての会津藩の物語で、藩祖・保科正之が家訓(かきん)として遺した将軍家への忠義の想いが、200年の時を超え幕末の会津藩主・松平容保の「京都守護職を引き受ける」という重大な意思決定に大きく影響した、とされている物語に注目します。

幕末、結果として極めて不本意な形で賊軍の汚名を着せられた会津藩のその後を想う時、当時の意思決定に対する賛否には意見が分かれるところかもしれません。

ただ、ここで私が着目しているのは、その意思決定の良し悪しではなく、1人の人間の想いが録音や録画技術のない時代の中でも、200年の時を超えて活き活きと生き続けていた、という点です。

この物語は、何らかの条件が整えば、ある1人の人間が「これが大切だ」と信じたことを、時代を超えて後世の人から人へと伝え遺していくことができる、という可能性を私たちに示してくれています。

このことの背景には、想いを発した人物の社会的地位はもちろんのこと、その人物が果たした役割や貢献の大きさ、さらには人徳などの要因があるでしょう。

しかし、より重要なことは、その想いそのものが、先に連なる時代に生きる人達にとっても「確かに大切だ」と実感できる内容であることです。

会津藩で伝承されたことは、主君に対する忠義の精神という、当時の根本的な価値基準であり、この日本という国で古くから育まれてきた、人としての大切な在り方の1つであったことも無視できないと感じます。

そして、だからこそ、会津藩という忠義に生きたシステムが、現代に生きる私たちの心の中に、今も変わらず鮮烈な印象と共感をもたらしてくれているのだと感じます。

今なお、会津の地や、その縁の方々の中に、会津藩の魂が生き続けていることに、心からの敬意を表したいと思います。

さて、現代に生きる私たちが後世に託す想いは、いったいどんなものなのでしょうか。
それは、いつか己の人生を全うする時に、それぞれの胸に去来するものなのかもしれません。

一方で、いつ私たちの命が尽きるのかについては、私たちには知る由がないことも事実なので、改めて、今の自分が後世に託す想いは何か?を問うてみました。

その自問に対する私の答えは、

「人やシステムの可能性を信じる。
そして、自分の可能性も、信じる。」

という想いです。

こうして言葉にして気づくのは、自分が後世に託したいことは、今を懸命に生きている自分へのメッセージそのままであったことです。

もしかしたら、保科正之も、忠義の精神を誰のためでもない、自分自身のために言い聞かせ、その生を、その瞬間を、懸命に生きていたのかもしれません。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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